小田原シネマ館企画上映「映画でつながる、平和を考える」10/18より『ガザ 素顔の日常』10/25より『私は憎まない』上映 - 小田原シネマ館 | ODAWARA CINEMA
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小田原シネマ館企画上映「映画でつながる、平和を考える」10/18より『ガザ 素顔の日常』10/25より『私は憎まない』上映

「映画でつながる、平和を考える」

映画には「きっかけ」があります。
笑顔も、涙も、ロマンスも。
そして祈りも。

今、私たちができることはなにか。
平和への「きっかけ」を考える特集上映。

現在、世界各地で紛争が絶えない中、私たちは平和について深く考える必要があります。
この上映会では、戦争は平和をテーマにした映画を通じて、現在進行形の出来事や課題を学び、私たち一人ひとりができることを考える機会が提供できればと思います。

映画は、物事を通じて感情に訴えかけ、他者の視点を理解する助けとなります。
戦争の悲惨さやそこから立ち上がる人々の強さを描いた作品は、日常では感じることのできない現実を私たちに示し、共感と洞察を深めます。
本企画では、現在の課題から過去の過ち、未来への希望まで、さまざまな視点から平和を探る映画を集めています。

映画を観ることは、平和への第一歩です。
知ることが第一歩、考えることが第二歩と、共に平和についての歩みを進めていければ嬉しく思います。
皆様のご参加を心よりお待ちしています。

<上映作品>

10/4~10/17『忘れない、パレスチナの子どもたちを』
10/11~10/24『歌声にのった少年』
10/18~10/31『ガザ 素顔の日常』
10/25~11/7『私は憎まない』
11/1~11/14『帰ってきたヒトラー』
11/8~11/21『アダミアニ 祈りの谷』

<作品紹介>

当記事では10/18より上映『ガザ 素顔の日常』、10/25より上映『私は憎まない』の二作品をご紹介をいたします。

どちらも「天井のない監獄」と呼ばれる、パレスチナ・ガザ地区を取り扱った作品です。
ひとつはガザに住む子供から老人まで様々な人々のそれぞれの暮らしを追ったドキュメンタリー、もうひとつはパレスチナ人として初めてイスラエルの病院で働く医師となったイゼルディン・アブラエーシュ博士を追ったドキュメンタリーです。
多くの生活から見えるガザと一人の半生から見えるガザはどう違うでしょうか。

『ガザ 素顔の日常』

ドキュメンタリー/2019年/92分/ユナイテッドピープル
©Canada Productions Inc., Real Films Ltd.

ガザにもビーチが、カフェが、大学が、夢があります

ガザ地区と聞いたら「世界で最も危険な場所」「紛争地」など戦争のイメージを思い浮かべるのではないだろうか?
そんなあなたはこの映画で全く違うガザの一面を発見することだろう。
穏やかで美しい地中海に面しているガザの気候は温暖で、花やイチゴの名産地。若者たちはサーフィンに興じ、ビーチには老若男女が訪れる。海辺のカフェの飛び切りハイテンションな店主に朝会えば、間違いなく誰もが幸せな一日を過ごせるはずだ。
しかし現実は過酷だ。
陸も海も空も自由も奪われたガザは「天井のない監獄」と呼ばれ、住民の約7割が難民で貧困にあえいでいる。それでも日常を力強く生きようとする人々がいる。
「欲しいのは平和と普通の生活」。ガザの人々は普通の暮らしを今日も夢見ている。



『私は憎まない』

ドキュメンタリー/2024年/92分/ユナイテッドピープル
©Filmoption

憎しみの連鎖を断ち切るため、人の尊厳のために戦う

イスラエルとパレスチナの医療の架け橋となるべく活動していたアブラエーシュ博士は、3人の娘を砲撃で失った後も、憎しみに屈することなく、共存と平和を訴え続けています。彼の行動は、憎しみの連鎖を断ち切り、次世代に希望をつなげるためのものです。
被害者が憎しみを持たずに行動し続けることは決して容易ではありません。だからこそアブラエーシュ博士のように、人間の尊厳のために憎悪を超えて行動する姿は、私たちが進むべき道を示しています。
このメッセージが共有され、多くの人々に届くことを願っています。



※ チケットのお求めはオンラインもしくは劇場窓口にてお申し込みください。
※オンラインはクレジットカードのみ劇場窓口は現金のみとなってございます。
※ムビチケはご利用いただけません。



上映:小田原シネマ館
運営協力:FM小田原株式会社



スタッフ後記

映画を観て心を動かされること。それは誰にも否定できない特別な体験です。
けれどそれが社会的・政治的メッセージが強いものほど、動かされたままでいいのだろうか?という葛藤は常について回ります。

『私は憎まない』でアブラエーシュ博士が発した「誰にもこれを想像してほしくない。この光景を」という言葉。
想像することすら拒ませるような光景があったという事実が深く重たく胸にのしかかります。
果たして、こうして胸を痛めるだけでいいのだろうか?

『ガザ 素顔の日常』では「ペンは剣より強い」と、詞を書き、トラックに載せ、ラップで人々の心に訴えかけようとする青年がいます。両親がイスラエルの銃撃を受けた女性は「暴力だけが抵抗の手段ではない」と語ります。
果たして、彼らの訴えに真に耳を傾けているだろうか?耳を傾けるだけでいいのだろうか?

刻一刻とパレスチナ・ガザの景色が無残に変わっていくのを私たちは未だ止められません。映画で映し出される街並み、そして人々が今も無事であるかも、分からない。

感情が動く。その感情を文字に、言葉にしてみるだけでまた景色は変わっていくかもしれません。
即時停戦してほしい。誰も殺されてほしくない。誰にも殺したりしてほしくない。戦争反対。


文責 小田原シネマ館スタッフ n.matoba