シネマレター - 小田原シネマ館 | ODAWARA CINEMA
Skip to content Skip to sidebar Skip to footer
フィッシャー・キングシネマレターアイキャッチ
〈小田原シネマ館スタッフ映画話〉『フィッシャー・キング』について
テリー・ギリアム監督作『フィッシャー・キング』、12/5(木)まで上映中です  当館スタッフが上映作品についての豆知識や思うことを綴るシネマレター、今回は『フィッシャー・キング』のお話です。    テリー・ギリアム監督といえば、モンティ・パイソン時代のアニメーションやテリー・ジョーンズとの共同制作映画に始まり、『ジャバー・ウォッキー』(1977)、青年期三部作とも呼ばれる『バンデットQ』(1981)『バロン』(1988)『未来世紀ブラジル』(1985)や、『ブラザーズ・グリム』(2005)、『12モンキーズ』(1995)、最近では『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(2018)など、数多くの映画を作ってきました。  そんなギリアム監督が、初めて他者の脚本で描いてみせた映画が、『フィッシャー・キング』(1991)です。ギリアム監督は、その比類なき芸術センスと構成力のかたわらで、細部までの凝りのために制作費の大幅超過や制作期間の延長、尺の長さなど、問題児的な一面があります。未完になっている作品もあり、いつも映画作りが難航している印象です。(『バトル・オブ・ブラジル』の書籍なんかは有名ですね。)  そうした中で『フィッシャー・キング』は、汚名返上ではないのですが、他者の脚本で素晴らしくまとめあげ、予算も期限も守って、こんなこともできますよ、と、ある意味で監督の手腕をアピールしたわけです。  他者の脚本といっても、もちろんギリアムらしさ満載です。中世の騎士や、現代ニューヨークとは思えない古城のような建物、薄暗さと煙、配管、ごちゃごちゃとしたパリー(ロビン・ウィリアムズ)の棲み処!とってもギリアムギリアムしております。 〈役柄について・・〉  主演のロビン・ウィリアムズとジェフ・ブリッジスは、ほかのギリアム映画にも出演しています。ブリッジスは監督自ら出演を懇願したのだとか。ブリッジスは『ローズ・イン・タイドランド』(2005)でジャンキーお父さん役、ウィリアムズは『バロン』で月の王役(!)を演じておりました。宇宙にいたんですね。  聖杯伝説は、ギリアム監督が過去に『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975)で扱ってもいました。ギリアム映画では、モンティ・パイソンメンバーが出てくることもしばしばですが、『フィッシャー・キング』には出ていません、残念! ウィリアムズが7人目のパイソンメンバーみたいなもんです。(ちなみに、テリー・ジョーンズ監督作『ミラクル・ニール!』(2015)では、パイソンメンバーと一緒に声の出演もしており、これが日本公開作では遺作となっています。ウィリアムズは犬の吹き替え。多彩です。)  ロビン・ウィリアムズは、もともと即興で舞台に立ったりしていたコメディアンです。彼の生き生きとした動きと笑顔はとてもいいですね。初めて見たとき、こんなに素敵な笑顔を見せる人はほかにいないと思いました。当館で以前上映していた『レナードの朝』(1990)でも、コミカルな動きが素晴らしかったです。  映画の中では人格者の役が多い印象で、人情に篤い学校の先生や医者、夫を演じていることが多いですが、『フィッシャー・キング』では、精神病患者。持ち前の人柄の良さはもちろんのこと、ちょっと危ない、アナーキーでありつつ、時折暗さをみせる、色々な表情で、ウィリアムズのすべてが詰まっています。今作のウィリアムズはまさに、はまり役です。  また、リディア役のアマンダ・プラマーは大好きです。彼女は『パルプ・フィクション』(1994)のハニーバニー役が有名かなと思います。(ほかに、ヴィム・ヴェンダース監督の『ミリオンダラー・ホテル』(2001)等々にも出演しています。)可愛らしさと、ちょっと粗暴で大胆なかっこよさ。『フィッシャー・キング』では、非常に不器用な女性を演じます。回転扉からなかなか出られず、二日に一度は本を買って、本やビデオを棚からガラガラ落としてしまう。固いナッツキャンディを買って、水曜日には餃子を食べる。餃子もうまく掴めずに、落としてしまう。リディアの日々の習慣は、いつ見ても愛らしく感じます。書いたらキリがないのですが、4人で行く中華屋のシーンも何度も観てしまいます。あんなに楽しい食事シーンは他にありません。ウィリアムズなんか、しまいには歌い出してしまう。ちょっと変な人たちが、コミカルに生き生きと、愛でもって描かれています。  それから、リディアと、ウィリアムズ演じるパリーが駅のホームですれ違うシーン。グランド・セントラル・ステーションで、1000人のエキストラを動員し、通勤列車が到着する朝6時10分、二日間にわたって撮影されたものだというから驚きです。ギリアム監督のアドリブなんだとか(日本公開時のパンフレット参照)。世界がリディアとパリーのためだけの舞台になったみたいで、夢のようです。    加えてなんと、グランド・セントラル・ステーションのシーンでは、トム・ウェイツの姿も! また、ミュージカルなどで活躍の、マイケル・ジェッターも良い役です。脇役も見逃せませんね。 〈ギリアム作品の魅力・・〉  テリー・ギリアム監督の魅力はたくさんあり、目に入るドキドキするようなイメージの鮮烈さや音楽はもちろんですが、「死」を確実に描いているところがその一つではないかと思います。ギリアム映画は、ファンタジーの要素がありつつ、しかし決してファンタジーではありません。現実が、映画の底を這って動きません。『フィッシャー・キング』は、彼の映画の中では比較的ハッピーエンドを辿っているわけですが、やはりそうとは言い切れない部分があります。さまざまな社会問題の風刺や、暴力や血の描き方だったり。そもそも、ジャック(ジェフ・ブリッジス)の言葉がなければ、パリーの妻は亡くならなかったかもしれず、二人の友情が芽生えるなんてことはなかったわけです。(ジャックの直接的な責任ではありませんが。)パリーばかりが、大切なものを失って傷ついているように思えてしまう。リディアやジャックらといくら幸せになろうが、傷は残り続けるでしょう。ジャックの「償い」のような行為も、本当はすごく利己的なものでしょう。物語はたくさんの偶然でできていて、二人が出会わなければ、起こらなかったことの数々があり、同時にまた、起こったことの数々があります。簡単に「いい話だった」で終わってしまえないところに、心を掴まされるのでしょうか。  つい最近の11月22日は、テリー・ギリアム監督84歳の誕生日! ギリアム監督は、ジョニー・デップ主演で新作を制作中とのことで、非常に楽しみです(『ドン・キホーテ』の時のように撮影現場に来ない、なんてことがなかったらいいのですが……)。  当館内ロビーには、スタッフによるイラスト展示と、公開時のパンフレットを掲示している小さいコーナーもあります。ぜひ、合わせてご覧ください。  ギリアム監督の映画体験をこの機会にぜひ! 【作品情報】 1991年/137分/アメリカ メインビジュアル(右): © 1991 TRISTAR PICTURES, INC ALL RIGHTS RESERVED. ※ チケットのお求めはオンラインもしくは劇場窓口にてお申し込みください。 ※オンラインはクレジットカードのみ、劇場窓口は現金のみとなってございます。 ※ムビチケはご利用いただけません。 上映:小田原シネマ館
小田原シネマ館企画上映「響け、マエストロの旋律 – 映画で辿る音楽の魂」11/22より『ボレロ 永遠の旋律』11/29より『ビバ・マエストロ!指揮者ドゥダメルの挑戦』12/6より『TAR/ター』上映
「響け、マエストロの旋律 - 映画で辿る音楽の魂」 舞台裏から秘められた情熱まで、音楽に生きる者たちの息づかいがここに。 <上映作品> 11/22~12/5『ボレロ 永遠の旋律』 11/29~12/12『ビバ・マエストロ 指揮者ドゥダメルの挑戦』 12/6~12/19『TAR/ター』 <作品紹介> 『ボレロ 永遠の旋律』 2024年/121分/フランス © 2023 CINÉ-@ - CINÉFRANCE STUDIOS - F COMME FILM - SND - FRANCE 2 CINÉMA - ARTÉMIS PRODUCTIONS 音楽史上最も成功した名曲は、ラヴェル本人が最も憎んでいた曲だった ストーリー 1928年<狂乱の時代>のパリ。深刻なスランプに苦しむモーリス・ラヴェルは、ダンサーのイダ・ルビンシュタインからバレエの音楽を依頼されたが、一音もかけずにいた。失った閃きを追い求めるかのように、過ぎ去った人生のページをめくる。戦争の痛み、叶わない美しい愛、最愛の母との別れ。引き裂かれた魂に深く潜り、すべてを注ぎ込んで傑作「ボレロ」を作り上げるが──。 おすすめポイント ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による「ボレロ」に加え、「亡き王女のためのパヴァーヌ」「道化師の朝の歌」などの名曲を、ヨーロッパを代表するピアニストの一人であるアレクサンドル・タローが披露。ラヴェルの今なお輝く多彩な音楽が観る者を魅了するだけでなく、タローは出演も果たした。さらに、元パリ・オペラ座のエトワール、フランソワ・アリュが、生命力が爆発するような跳躍で踊るエンディングの「ボレロ」も見逃せない。 『ビバ・マエストロ! 指揮者ドゥダメルの挑戦』 2022年/99分/アメリカ 🄫2022 PM Maestro Documentary, LLC. ALL Rights…
【舞台挨拶決定!】『いまダンスをするのは誰だ?』11月16日(土)、11月17日(日)10:00の回限定 本作出演 小島のぞみさん 古新舜監督 舞台挨拶付特別上映開催!
『いまダンスをするのは誰だ?』 ひとりぼっちじゃない どん底の自分を救ったのは、家族の愛と“ダンス”だった! 仕事一筋で家庭を顧みなかった主人公・馬場功一(演・樋口了一)が、ある日40代で若年性パーキンソン病と診断され、病いをきっかけに出会った人たちや「ダンス」を通じて、自らの生き方を見つめなおしていく…… <舞台挨拶決定!> 映画『いまダンスをするのは誰だ?」 11月15日(金)~11月28日(木)の二週間にて上映決定!!  ※火曜日は休館日のため上映はございません。 さらに!! 11月16日(土)、11月17日(日) 各10:00の回にて舞台挨拶付き上映を開催いたします!! <舞台挨拶概要> 登壇予定者 小島のぞみさん / 本作出演:功一の妻、WEBライター/馬場 恵役 古新舜監督 / 本作監督 ※登壇者は予告なしに変更になる場合がございます。ご了承ください。 各会場:小田原シネマ館劇場内 各料金:一般料金より(各種前売券・特別鑑賞券利用可) ※各種招待券使用不可 チケットは劇場窓口(現金のみ)、オンライン(クレジットカードのみ)で販売中です。 皆様のご来場をお待ちしております!! ※チケットの完売次第、販売を終了いたします。 ※チケットのご購入後の変更、払い戻しはいたしません。 ※劇場内でのカメラ、カメラ付き携帯電話、ビデオ等による、撮影・録音・録画は固くお断りします。 <予告編> 「難病のサラリーマンの、みっともなくてなりふりかまわない真っ直ぐな気持ちを込めた人生というダンスを見てください」 ――本作主演:樋口了一 <作品概要> 発起人の松野幹孝氏は、証券マンとしての働き盛り2012年、パーキンソン病と診断された。病気の実情が知られていないため、孤立し苦悩した実話をもとに原案を作成し、患者を孤立から救い、病気を知ってもらうための映画化の実現に向けて奔走。22年3月、クランクイン直前に息を引き取った。享年67歳。 『水曜どうでしょう』のテーマソング「1/6の夢旅人2002」や、「第51回日本レコード大賞」優秀作品賞(2009年)を受賞した「手紙~親愛なる子供たちへ~」で知られる樋口了一も、2006年頃からギターが弾きにくくなり、声が出しづらいといった体の不調を感じ始め、その原因がパーキンソン病だと09年に診断されている。現在も定期的にライブを行うなど、故郷の熊本を拠点に音楽活動を続けており、現在59歳、本作の撮影時は58歳。パーキンソン病当事者が主演する劇映画は日本初となる。 ダンスインストラクター役に杉本彩、上司役に塩谷瞬、パーキンソン病仲間にIZAM、渋谷哲平、社長役に吉満寛人、顧客の病院理事長役に新井康弘ら実力派俳優が集結。 <クレジット> 出演:樋口了一、小島のぞみ、山本華菜乃ほか 監督・脚本・原作:古新舜 企画・原案:松野幹孝 2022年/日本/カラー/5.1ch/114分/Ⓒいまダンフィルムパートナーズ ____________________ 上映:小田原シネマ館 運営協力:FM小田原株式会社
小田原シネマ館企画上映「映画でつながる、平和を考える」11/1より『帰ってきたヒトラー』11/8より『アダミアニ 祈りの谷』上映
「映画でつながる、平和を考える」 映画には「きっかけ」があります。 笑顔も、涙も、ロマンスも。 そして祈りも。 今、私たちができることはなにか。 平和への「きっかけ」を考える特集上映。 現在、世界各地で紛争が絶えない中、私たちは平和について深く考える必要があります。 この上映会では、戦争は平和をテーマにした映画を通じて、現在進行形の出来事や課題を学び、私たち一人ひとりができることを考える機会が提供できればと思います。 映画は、物事を通じて感情に訴えかけ、他者の視点を理解する助けとなります。 戦争の悲惨さやそこから立ち上がる人々の強さを描いた作品は、日常では感じることのできない現実を私たちに示し、共感と洞察を深めます。 本企画では、現在の課題から過去の過ち、未来への希望まで、さまざまな視点から平和を探る映画を集めています。 映画を観ることは、平和への第一歩です。 知ることが第一歩、考えることが第二歩と、共に平和についての歩みを進めていければ嬉しく思います。 皆様のご参加を心よりお待ちしています。 <上映作品> 10/4~10/17『忘れない、パレスチナの子どもたちを』 10/11~10/24『歌声にのった少年』 10/18~10/31『ガザ 素顔の日常』 10/25~11/7『私は憎まない』 11/1~11/14『帰ってきたヒトラー』 11/8~11/21『アダミアニ 祈りの谷』 <作品紹介> 当記事では11/1より上映『帰ってきたヒトラー』、11/8より上映『アダミアニ 祈りの谷』の二作品をご紹介をいたします。 「面白い」ことがいかに大衆を魅了するか、それがいかに危ういのか描くフィクション。 「分かりやすい」レッテルによって苦しめられる人や土地を映し出したドキュメンタリー。 果たして私たちは、自分の頭で考え、行動できているのでしょうか? 『帰ってきたヒトラー』 フィクション/2015年/116分/GAGA ©2015 MYTHOS FILMPRODUCTION GMBH & CO.KG CONSTANTIN FILM PRODUCTION GMBH 笑いの裏に潜む狂喜。無関心が生む独裁の影。 現代に蘇ったヒトラーが、モノマネ芸人と勘違いされ、当時と変わらぬその歪んだ愛国心を持ちながら、次第にテレビの人気者となっていく物語。 人々は、日常の不安や不満を打ち消してくれる存在を無意識に求めるが、その過程で、独裁者が生まれる土壌が築かれることに気付かない。 この映画は、独裁者の台頭がいかにして大衆の無関心や娯楽の中から現れるかを鋭く描いています。果たして狂気に陥っていくのはヒトラーなのか、大衆なのか、それとも映画を観ている私たち自身なのか。 コメディの軽やかなタッチが、終盤にかけて背筋を凍らせる冷酷な現実へと変わっていく様子は、私たちに平和と警戒の重要性を深く考えさせる一作です。 『アダミアニ 祈りの谷』 ドキュメンタリー/2023年/120分/アークエンタテイメント Ⓒ2021 ADAMIANI…
小田原シネマ館スタッフ 映画の話『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』画像
スタッフの映画話『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』当館にて10/31(木)まで上映中!  『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(1999)といえば、ヴィム・ヴェンダース監督作品のうちで⻑らく興行収入のトップを飾っていた映画でした。その記録が今年になって、役所広司主演の『PERFECT DAYS』(2023)に抜かれたことは記憶に新しいです。  最近では、ヴェンダース監督といえば『PERFECT DAYS』の名がよく挙がります。同作品でヴェンダース監督を知った、という方もいるでしょう。そんな中で、『PERFECT DAYS』が代表作とは思ってほしくない、といってはいけないのかもしれませんが、観てもらいたいヴェンダース監督映画はたくさんあるのです。  今回は、当館で 31 日まで上映中の『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のお話です。  さて、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』は現在のキューバ共和国が舞台のドキュメンタリー映画です。ドキュメンタリーといっても、説明じみたインタビューなんかは行われません。キューバに生きる人々が、自然に口を開いた瞬間をカメラに収めたといった感じでしょうか。ドキュメンタリーというジャンルに属するのではなく、もっと広く、映像作品として確かな美しい魅力を放ちます。ドキュメンタリーといえばフランスのニコラ・フィリベール監督も大好きなのですが、通じるところがあるのではないかと思います。時間の流れをカットすることなく、静かにゆっくりとそのままの形で切り取っていく。カメラを回す中の一人には、ヴェンダース監督とともに映画を作り続けてきたロビー・ミューラーがいます。言葉のない場面も多く、キューバの色彩豊かな風景は見ていて楽しいです。  ただ、言葉で多くを説明しないということは、語らないということと同義ではありません。「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は、当時差別や貧窮の中にあった人々の娯楽施設でもあったといいます。映画の中では、革命の象徴であるフィデル・カストロやチェ・ゲバラの肖像が見えることも。  キューバは、歴史の中で多くの革命を繰り返してきました。それが今現在にわたっても人々の記憶に大きく刻まれ、続いています。彼らの生活は革命とともにあります。スペインによる征服に始まり、アメリカによる植⺠地化、ロシアとの関係も日々動いています。アメリカとの関係は、オバマ政権時代に一時回復しましたが、トランプ政権になって再度悪化、バイデン政権でまた回復したかどうかという様子で、安定が見えません。次の大統領選にも左右されるでしょう。キューバには独立後も米軍基地が残され、特に現在ではグアンタナモ基地での人権侵害が大きな問題となっています。さらに、経済的にはロシアなど他国からの経済援助に大きく頼っている状況です。  随分簡単に説明してしまいましたが、キューバは、色鮮やかな街並みの裏にこうした背景を持っている、非常にコントラストの大きい国なのです。  とはいえ本作はなんといっても音楽映画です。冒頭で演奏されるコンパイ・セグンドの「Chan Chan」は何度聞いても鳥肌が立ってしまいます。渋い声、明るいメロディーに予想外の情熱的な歌詞が耳に残ります。サイドカーに息子のヨアキムを乗せて現れるライ・クーダーも良いです。緑とオレンジの服装が街に映えています。(余談ですが、サイドカーといえば、ヴェンダース監督の『さすらい』(1976)で、主演のリュディガー・フォーグラーが乗っていたのを思い出して嬉しくなります。)コンサートのシーンでは映像がモノクロのようになり、光を照り返す一人一人の皮膚が綺麗です。とにかく一人一人がかっこいいのです。  その中でも、イブライム・フェレールの表情が素敵だなと思いました。フェレールは笑顔を見せる場面が多いのですが、最終場面において、聖ラサロの杖の話のすぐ後に一瞬見せる影のある表情が強く印象に残っています。  ヴェンダース監督の映画は、観ていると守られているような感覚に包まれるのですが、それだけではなくて、しっかりと、重いものでこちらを殴ってくるようなところがあると思います。そういうところがとても好きです。  最新のドキュメンタリー作品には、今年の6月に日本公開された『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』があります。こちらは、『ベルリン、天使の詩』(1987)のような雰囲気があって大変良かったです。『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』を観たらぜひ、他の作品も観てみてくださいね。 <おまけ>  当館内には、劇場スタッフが描いたイブライム・フェレールのイラスト展示もございます。ぜひ、ご来館の際にはご覧になってください。 <作品概要> BUENA VISTA SOCIAL CLUB 1999/ドイツ・アメリカ/カラー/ビスタ/105分 出演:ライ・クーダー、イブライム・フェレール、ルベーン・ゴンザレス、オマーラ・ポルトゥオンド、エリアデス・オチョア © Wim Wenders Stiftung 2014 上映:小田原シネマ館 ※ チケットのお求めはオンラインもしくは劇場窓口にてお申し込みください。 ※ムビチケはご利用いただけません。
小田原ふるさと大使 富野由悠季監督生誕記念week 11/1~11/7『伝説巨神イデオン 接触篇』『伝説巨神イデオン 発動篇』上映決定!!
<富野由悠季監督生誕記念week開催決定!> この度、小田原ふるさと大使 富野由悠季監督の生誕11月5日を記念いたしまして11月1日(金)~11月7日(木)の一週間『伝説巨神イデオン 接触篇』『伝説巨神イデオン 発動篇』の上映が決定いたしました!! 皆様のご来館をお待ちしております!! <各回の上映時間について> ※『伝説巨神イデオン 接触篇』『伝説巨神イデオン 発動篇』は同時上映ではなく、連続上映となります。各回ごとに完全入れ替え制となりますので、続けてのご鑑賞の際はそれぞれチケットのご購入をお願いいたします。 ※各回のインターバルは30分前後を予定しております。 11月1日(金) 『接触篇』18:00~19:27 『発動篇』20:00~21:42 11月2日(土) 『接触篇』17:00~18:27 『発動篇』19:15~20:57 11月3日(日) 『接触篇』17:00~18:27 『発動篇』19:15~20:57 11月4日(月) 『接触篇』10:00~11:27 『発動篇』12:20~14:02 11月5日(火) 『接触篇』10:00~11:27 『発動篇』12:20~14:02 11月6日(水) 『接触篇』10:00~11:27 『発動篇』12:00~13:42 11月7日(木) 『接触篇』17:30~18:57 『発動篇』19:30~21:12 <作品紹介> 『伝説巨神イデオン 接触篇・発動篇』 Ⓒサンライズ 接触篇 富野由悠季監督が手がけたTVアニメーションの劇場版。宇宙を舞台に人類と異星人が対立し、イデの力を持つイデオンが戦争の渦中に巻き込まれる物語。未知なる力が覚醒する中、平和への道を模索しながら、戦いの火種が一層激化していく壮大な序章。 発動篇 富野由悠季監督が手がけたTVアニメーションの劇場版2部作の完結篇。戦いの果てに人類存亡を賭けた最後の戦いが描かれる。絶望的な戦争が繰り広げられる中、未知なる存在「イデ」が人類に迫る選択とは? 絶望と希望が交錯し、観る者に深い余韻を残す衝撃の結末が待つSFアニメの金字塔。 1982年/接触篇:84分 発動篇:99分 総監督:富野喜幸(現・富野由悠季) ※ 各上映回は40席限定となります。 ※ チケットのお求めはオンライン(クレジットカードのみ)もしくは劇場窓口(現金のみ)にてお申し込みください。 ※予約開始は上映日の二週間前から随時更新を予定しています。 <ご注意事項についての案内> ・今後の上映作品によっては、個別に注意事項が異なる場合がありますので、予めご了承ください。 ・当劇場館内では、ご鑑賞の妨げになる音や光が出る物品等、お客様の視界を遮るようなグッズ、ペンライト等のお持ち込みはご遠慮ください。 ・当劇場館内では、上映中に声を出しての応援等はご遠慮ください。(今後、応援上映等が実施される場合は個別のご案内となります) ・当劇場館内では、席を立ち上がってのご鑑賞や通路でのご鑑賞は禁止させていただきます。 ・当劇場館内では、火器類の持ち込み・クラッカー・笛などの鳴り物の使用、飛ぶ・跳ねるなど周りの方のご迷惑になる行為は固くお断りいたします。場合によっては上映を中止することもございます。 ・当劇場館内では、上映中のスマートフォン・携帯電話など各種端末のご使用はご遠慮ください。 ・当劇場館内では、映画予告、本編のほか、本編上映中の館内の様子の撮影・録音、またそれらの映像・写真・音声のSNS投稿は固く禁止しております。万一劇場内での撮影および録音が確認された場合は、本編の上映を中止する可能性がございます。また、お客様が処罰され、または損害賠償義務を負うことがあります。海賊版撲滅のため、ご協力をお願い致します。 <コスプレでのご入場条件についての案内> ご鑑賞の皆さまが楽しめるように、コスプレ衣装(コスチューム)でのご入場について一定の条件を設けさせていただきます。ご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。 ・今後の上映作品によっては、個別に制限事項が異なる場合がありますので、予めご了承ください。 ・当劇場館内では、コスプレ衣装(コスチューム)を着用してのご入場は、当館ルールの範囲内に限りご着用いただけます。コスプレにつきましては、個人的な趣味の範囲でのご着用に限ります。個人・団体を問わず宣伝目的や収益性を伴う目的でのご着用の場合は、その他の条件に関わらず固くお断り致します。館内ロビーを除く、コスチュームを着用しての劇場内の様子の撮影・録音、またそれらの映像・写真・音声のSNS投稿は固く禁止しております。予めご了承ください。 ・コスチュームについて、ヘルメット等の頭部を一部でも覆う衣装のご着用は他のお客様のご鑑賞の妨げやご迷惑になるためご遠慮ください。また、一部であっても発光するものや先の尖った鋭利なパーツ、音が出るもの等がある場合、また、ご指定のお席から衣装がはみ出たり、ご着席を妨げる衣装の場合もご着用を固くお断り致します。予めご了承ください。…
小田原シネマ館企画上映「映画でつながる、平和を考える」10/18より『ガザ 素顔の日常』10/25より『私は憎まない』上映
「映画でつながる、平和を考える」 映画には「きっかけ」があります。 笑顔も、涙も、ロマンスも。 そして祈りも。 今、私たちができることはなにか。 平和への「きっかけ」を考える特集上映。 現在、世界各地で紛争が絶えない中、私たちは平和について深く考える必要があります。 この上映会では、戦争は平和をテーマにした映画を通じて、現在進行形の出来事や課題を学び、私たち一人ひとりができることを考える機会が提供できればと思います。 映画は、物事を通じて感情に訴えかけ、他者の視点を理解する助けとなります。 戦争の悲惨さやそこから立ち上がる人々の強さを描いた作品は、日常では感じることのできない現実を私たちに示し、共感と洞察を深めます。 本企画では、現在の課題から過去の過ち、未来への希望まで、さまざまな視点から平和を探る映画を集めています。 映画を観ることは、平和への第一歩です。 知ることが第一歩、考えることが第二歩と、共に平和についての歩みを進めていければ嬉しく思います。 皆様のご参加を心よりお待ちしています。 <上映作品> 10/4~10/17『忘れない、パレスチナの子どもたちを』 10/11~10/24『歌声にのった少年』 10/18~10/31『ガザ 素顔の日常』 10/25~11/7『私は憎まない』 11/1~11/14『帰ってきたヒトラー』 11/8~11/21『アダミアニ 祈りの谷』 <作品紹介> 当記事では10/18より上映『ガザ 素顔の日常』、10/25より上映『私は憎まない』の二作品をご紹介をいたします。 どちらも「天井のない監獄」と呼ばれる、パレスチナ・ガザ地区を取り扱った作品です。 ひとつはガザに住む子供から老人まで様々な人々のそれぞれの暮らしを追ったドキュメンタリー、もうひとつはパレスチナ人として初めてイスラエルの病院で働く医師となったイゼルディン・アブラエーシュ博士を追ったドキュメンタリーです。 多くの生活から見えるガザと一人の半生から見えるガザはどう違うでしょうか。 『ガザ 素顔の日常』 ドキュメンタリー/2019年/92分/ユナイテッドピープル ©Canada Productions Inc., Real Films Ltd. ガザにもビーチが、カフェが、大学が、夢があります ガザ地区と聞いたら「世界で最も危険な場所」「紛争地」など戦争のイメージを思い浮かべるのではないだろうか? そんなあなたはこの映画で全く違うガザの一面を発見することだろう。 穏やかで美しい地中海に面しているガザの気候は温暖で、花やイチゴの名産地。若者たちはサーフィンに興じ、ビーチには老若男女が訪れる。海辺のカフェの飛び切りハイテンションな店主に朝会えば、間違いなく誰もが幸せな一日を過ごせるはずだ。 しかし現実は過酷だ。 陸も海も空も自由も奪われたガザは「天井のない監獄」と呼ばれ、住民の約7割が難民で貧困にあえいでいる。それでも日常を力強く生きようとする人々がいる。 「欲しいのは平和と普通の生活」。ガザの人々は普通の暮らしを今日も夢見ている。 『私は憎まない』 ドキュメンタリー/2024年/92分/ユナイテッドピープル ©Filmoption 憎しみの連鎖を断ち切るため、人の尊厳のために戦う イスラエルとパレスチナの医療の架け橋となるべく活動していたアブラエーシュ博士は、3人の娘を砲撃で失った後も、憎しみに屈することなく、共存と平和を訴え続けています。彼の行動は、憎しみの連鎖を断ち切り、次世代に希望をつなげるためのものです。 被害者が憎しみを持たずに行動し続けることは決して容易ではありません。だからこそアブラエーシュ博士のように、人間の尊厳のために憎悪を超えて行動する姿は、私たちが進むべき道を示しています。…
小田原シネマ館「音楽祭」開催!第13弾は映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』10月18日〜上映!
<「#小田原シネマ館」「#音楽祭」ラインナップ上映 決定!!> 「#音楽祭」と題して「音楽」にまつわる作品の連続ラインナップ上映を開催中です! <「#音楽祭」第13弾> 第13弾として映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』の上映が決定致しました! <作品紹介> ライ・クーダーがキューバ音楽の巨人たちと創り上げたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は大ヒットを記録し、1997年グラミー賞を受賞した。 ヴェンダースは、キューバを再訪するライ・クーダーの旅に同行し、クラブのメンバーとの交流を記録する。 色彩が溢れ情緒豊かなハバナの街並みと、語られる面々の生い立ち。そして彼らは音楽の殿堂カーネギーホールでの公演に臨む……。 小田原シネマ館で過去上映いたしました『PERFECT DAYS』、『パリ、テキサス』を手掛けた名匠ヴィム・ヴェンダースが監督を務めた作品です。 音楽好きから「音楽をテーマにした映画といえば?」とタイトルを募集すれば挙がらないことはない、見応え間違いなしの作品です。 お見逃しなく! 映画『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』 ※ チケットのお求めはオンラインもしくは劇場窓口にてお申し込みください。 ※ムビチケはご利用いただけません。 <作品概要> BUENA VISTA SOCIAL CLUB 1999/ドイツ・アメリカ/カラー/ビスタ/105分 出演:ライ・クーダー、イブライム・フェレール、ルベーン・ゴンザレス、オマーラ・ポルトゥオンド、エリアデス・オチョア © Wim Wenders Stiftung 2014 上映:小田原シネマ館 運営協力:FM小田原株式会社
小田原シネマ館企画上映「映画でつながる、平和を考える」10/4より『忘れない、パレスチナの子どもたちを』10/11より『歌声にのった少年』上映
  「映画でつながる、平和を考える」   映画には「きっかけ」があります。 笑顔も、涙も、ロマンスも。 そして祈りも。 今、私たちができることはなにか。 平和への「きっかけ」を考える特集上映。 現在、世界各地で紛争が絶えない中、私たちは平和について深く考える必要があります。 この上映会では、戦争は平和をテーマにした映画を通じて、現在進行形の出来事や課題を学び、私たち一人ひとりができることを考える機会が提供できればと思います。 映画は、物事を通じて感情に訴えかけ、他者の視点を理解する助けとなります。 戦争の悲惨さやそこから立ち上がる人々の強さを描いた作品は、日常では感じることのできない現実を私たちに示し、共感と洞察を深めます。 本企画では、現在の課題から過去の過ち、未来への希望まで、さまざまな視点から平和を探る映画を集めています。 映画を観ることは、平和への第一歩です。 知ることが第一歩、考えることが第二歩と、共に平和についての歩みを進めていければ嬉しく思います。 皆様のご参加を心よりお待ちしています。 <上映作品> 10/4~10/17『忘れない、パレスチナの子どもたちを』 10/11~10/24『歌声にのった少年』 10/18~10/31『ガザ 素顔の日常』 10/25~11/7『私は憎まない』 11/1~11/14『帰ってきたヒトラー』 11/8~11/21『アダミアニ 祈りの谷』 <作品紹介> 当記事では10/4より上映『忘れない、パレスチナの子どもたちを』、10/11より上映『歌声にのった少年』の二作品をご紹介をいたします。 どちらも「天井のない監獄」と呼ばれる、パレスチナ・ガザ地区を取り扱った作品です。 ひとつはドキュメンタリー、もうひとつは実話を基にしたドラマ。 遠い国の出来事かもしれません。自分には関係のないこと、と思うかもしれません。 しかし見ているうちにその遠い国の人々と私たちの繋がりを感じざるを得なくなる瞬間があります。   『忘れない、パレスチナの子どもたちを』 ドキュメンタリー/2022年/84分/アップリンク ©Revolution Films 2022 忘れられない物語を、心へ 2021年5月11日間、イスラエルの爆撃によって命を奪われた子供たちとその家族を映したドキュメンタリー。 遠い国の争いが、果たして私たちに関係ないといえるのでしょうか? 報道では、亡くなった人々の数が伝えられますが、彼らは単なる数字ではなく、私たちと同じように一人ひとりに名前があり、思い出があり、未来への夢を抱いていた人間です。 その一つひとつの人生に耳を傾けてみてください。 彼らの物語を知ることで、私たちの心に何か響くはずです。 (入場者1名につき100円がガザの子供たちを支援している団体に寄付されます。) 小田原シネマ館では坂本美雨ナレーション日本語版を上映予定です。 ※映倫審査はG区分ですが、劇中子どもの遺体など刺激的な描写がございますのでご鑑賞の際はご留意ください。    …
小田原シネマ館「音楽祭」開催!第12弾は映画『COUNT ME IN 魂のリズム』10月4日〜上映!
<「#小田原シネマ館」「#音楽祭」ラインナップ上映 決定!!> 「#音楽祭」と題して「音楽」にまつわる作品の連続ラインナップ上映を開催中です! <「#音楽祭」第12弾> 第12弾として映画『COUNT ME IN 魂のリズム』の上映が決定致しました! <作品紹介> 史上最高のドラマー達が教えてくれる演奏の興奮と悦び。 鍋やフライパンまでありとあらゆるものを叩きながら過ごした子供時代から、世界中のスタジアムで旋風を巻き起こすようになるまでの道のりはどんなものだったのだろうか? クライマックスへ向けた特別なセッションへの道のりを軸に、錚々たるドラマーの面々がドラムの歴史、自身のキャリア等について語る貴重なインタビューが交錯しながら自然とドラムへの理解が深められてゆく。 ドラムに関する専門的な知識は不要!全ての音楽ファン必見のドキュメンタリー! 映画『COUNT ME IN 魂のリズム』 ※ チケットのお求めはオンラインもしくは劇場窓口にてお申し込みください。 ※ムビチケはご利用いただけません。 <作品概要> 子供たちが初めてドラム・セットを手にした際の喜びを爆発させる瞬間を筆頭に、リラックスして楽しめる作品でありながら レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(チャド・スミス)、 クイーン(ロジャー・テイラー) アイアン・メイデン(ニコ・マクブレイン) ポリス(スチュワート・コープランド) サンタナ/レニー・クラヴィッツ(シンディ・ブラックマン・サンタナ)、 フー・ファイターズ(テイラー・ホーキンス)、 トラヴェリング・ウィルベリーズ/エリック・クラプトン/ライ・クーダー(ジム・ケルトナー)、 ディープ・パープル(イアン・ペイス) といった超一流ドラマーに留まらず ロイヤル・ブラッド(ベン・サッチャー)や ザ・ダークネス/ブライアン・フェリー(エミリー・ドーラン・デイヴィス)などの若い世代のドラマー、更には ロス・ガーフィールド のようなドラムに関するスペシャリストにもスポットが当てられ、玄人を唸らせる深みも兼ね備えている。 2021 年/イギリス/英語/86 分/ビスタ/カラー/5.1ch/原題:COUNT ME IN 日本語字幕:堀上 香/字幕監修:北野賢(リズム&ドラム・マガジン編集部)/山本拓矢(bohemianvoodoo) 配給:ショウゲート © 2020 Split Prism Media…