中島久枝監督作『ドーバーばばぁ2 〜つなぐ〜』舞台挨拶の模様をお届け!
1/25(土)14:40~の回上映後、当館にて『ドーバーばばぁ2 〜つなぐ〜』舞台挨拶が行われました。
当日の登壇者は中島久枝監督、そして、ドーバー海峡に挑んだチーム織姫の大河内二三子さん、原田京子さん、田村里江さん、野田照美さん、中田律子さん。野田さんと中田さんは客席から参加されました。
当日のお客さんは30名。鑑賞を終えた会場内も一つの遠泳チームに加わったような気持ちで、明るいお人柄の皆さんの登場とともに賑やかな舞台挨拶になりました。
〈制作に込められた想い・・〉
今作は、前作『ドーバーばばぁ 織姫たちの挑戦』から13年の月日が流れています。本当は10年目で何かやろうと思っていたそうですが、新型コロナウイルスの影響により3年間延期。織姫たち個人も、それぞれ家庭や病などの問題に苛まれました。
そして今回、新しく若いメンバーも加わり、81〜20歳、「ばばぁ率50%」の『ドーバーばばぁ2』が生まれました。
映画は2時間半超えの大作。中島監督ご自身も、「長すぎたのではないか」と心残りに思われていたそう。
しかし、「これ以上縮められないというところまで、フィルムに収めてもらって本当に感動している」と原田さんは言います。
映画制作の話はまず、チームのリーダーである大河内さんの元に届きました。
大河内さんは、はじめに中島監督から「自分のやっていることを全て、記録にした方がいい」と言われた際、「(他の人は)興味ないんじゃないの?」と思っていたそう。
生活そのままを映画にして、はたして面白いのかと。
けれども、やがて、中島監督が来るときだけは家の掃除もせず、ありのままの姿を撮影してもらおうと覚悟を決めました。大河内さんは、映画の中で「自分自身の10何年間のすべてを晒している」と言います。
一切飾り立てることなく、実直に海に挑んだものたちの姿が切り取られています。
田村さんは、海の過酷さを語ります。
「フィルムの中だけを観ていると、あのくらいなら私も泳げるわ、と思うかもしれない。でも、実際には大潮で流れがとても速く流されそうになる」
そうした大変さの中で、「『〜つなぐ〜』とタイトルにもあるように、繋いだこと自体がすごいことで、完泳できてよかった」と。
〈織姫たちの普段や今後、舞台裏話・・〉
ここで、お客さんからの質問の一部を紹介します。
「練習はどこでやっているの?」
——「スイミングスクールでレッスン。自主練はせず、多いときで1500m泳ぐ」
「ドーバーばばぁたちの次はあるの?」
——「今後は、なるべく温かい海で、無理のない遠泳を続けるつもり」
また、お客さんから「家庭や環境の変化を乗り越えて泳ぎきった姿に感動した」との感想もいただきました。(ちなみに、上映後に回収したアンケートでは、「上映時間の長さは気にならなかった」という方がほとんどでした。)
ドーバー海峡横断は、フランス、イギリス、と国境を越えて行われました。しかし、入国審査はしていなかったのだとか。そのため、密入国者と捉えられる事態にも(!)
入国審査をしていないわけですから、全員が岸に上がることはできません。泳いで岸に辿り着いた代表者は、1人5分ほどの限られた滞在時間で、みんなのために海岸の石を水着のお尻に入れて持ち帰ります。そうしてまた、次の人にバトンを繋いでいくのです。
帰りの入管でも30分近く足止めされてしまったのだそう。泳ぎ以外の部分も過酷です。
ご登壇・ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。
ドーバーばばぁ、まだまだ上映中!
上映は2/6(木)まで。観ると元気をもらえますよ。寒さが続きますが、ご来館お待ちしています!