
グ スーヨン監督作『幽霊はわがままな夢を見る』舞台挨拶の模様をお届け!
先日 1/11(土)10:30~の回上映後、当館にて『幽霊はわがままな夢を見る』舞台挨拶が開催されました。当日は、グ スーヨン監督・栃木光信プロデューサーにお越しいただきました! また、舞台挨拶後にはサイン会も。
当日ご参加のお客さんは 13 名。一人一人と目を合わせられる程のとても近い距離感で、グ監督と栃木プロデューサーにお話いただきました。

〈お二人のお仕事について・・〉
舞台挨拶はまず、お二人の自己紹介から。
グ監督は、これまでに映画や数々のテレビ CM などを手がけていらっしゃいます。ケビン・コスナーさん出演のサントリービールや、内田有紀さんのカルピスウォーターの CM、また、TBC の「私、脱いでもすごいんです」というセリフは当時大きな話題に。栃木プロデューサーは、「奇跡体験!アンビリバボー」「ザ!世界仰天ニュース」などの有名番組制作に当初から携わっていらっしゃる方。
そんなお二人が作りあげたのが、『幽霊はわがままな夢を見る』です。
〈舞台裏話・・〉
映画の舞台は、山口県下関。グ監督ご自身も下関がご出身で、同じく下関ご出身の深町友里恵さんを主演に迎え、下関で撮影されました。当日ご来館いただいたお客さんの中にも、下関を訪れたことのある方が何人か見えました。
作中で扱われるのは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)による「耳なし芳一」の怪談。「耳なし芳一」は皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、その舞台が下関だったとは! 芳一が居たとされているのが、山口県にある阿弥陀寺。現在は、その後身である赤間神宮に「芳一堂」が構えられ、映画にはこの赤間神宮が登場します。
加えて、下関は平家一門が滅亡した壇ノ浦の所在地でもあり、赤間神宮には平家の墓が並んでいます。グ監督は霊感をお持ちでないとのことでしたが、それでも恐怖を覚えるほどの佇まいだったとか……。さらに、元々「耳なし芳一」の朗読をなさっていて、本作で芳一役を務めた佐野史郎さん。佐野さんは赤間神宮を訪れた際、神主にお名前を間違えられたことがきっかけで体調を崩したことがあるのだそう……。赤間神宮、恐るべし。
撮影中の様子も聞かせていただきました。
怖〜いスポンサー役・南海キャンディーズのしずちゃんこと、山崎静代さん。グ監督によると、「しずちゃんは、しずちゃんだった。」とのことで、普段見るそのままの魅力で出演なさったそう。会場からは笑いの声が聞こえました。ちなみに、しずちゃんのみ、東京での撮影だったようです。
〈お客さんからの質問・・〉
お客さんの中には、グ監督の映画を全て観ているという方もいらっしゃいました! グ監督の初期は、『幽霊はわがままな夢を見る』に比べると文字どおり血の気が多く、作風の変化について質問が。これについてグ監督からは、「歳をとった」「血の表現はお金がかかる……」などの率直な回答をいただきました。(ちなみに、グ監督は最近料理に凝ってらっしゃるのだとか。)
同じ監督作を順に観て、変化や不変の要素を感じとるのは楽しいですよね。監督に直接質問をできる機会は貴重です。
〈お二人からのお言葉・・〉
というわけで、『幽霊はわがままな夢を見る』は下関ムービーな訳でありますが、ご出身が東京の栃木プロデューサーは、皆が故郷に対して文句を言いつつも愛しているような光景を羨ましく感じるのだそう。また、映画館が閉館を続ける中での当館の開館については、意義あることであり、「皆さんが映画文化を担っているのだと思ってこれからも通い続けてほしい」とのありがたいお言葉をいただきました。
グ監督は、ジャームッシュやカウリスマキ監督らがお好きなために「伏線回収をしない」やり方で制作に挑んでいて、さらには、「売れそうなものを作ったとしても売れるかわからない。なら、最初から好きなものを作っちゃおう!」とおっしゃる姿勢がとても素敵でした。


お二人とも、ご登壇いただき誠にありがとうございました。ご参加された皆さまも、ありがとうございました。
\\『幽霊はわがままな夢を見る』1/23(木)まで上映中! //
当館ではまだまだ上映中です。この機会にぜひ劇場で。お待ちしております!