シネマレター - 小田原シネマ館 | ODAWARA CINEMA
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小田原ふるさと大使 富野由悠季監督作品『ザブングルグラフィティ』4/25~5/8上映決定!!
<『ザブングルグラフィティ』上映決定!> 昨年2024年11月1日(金)~11月7日(木)に開催いたしました小田原ふるさと大使富野由悠季監督生誕記念上映『伝説巨神イデオン 接触篇・発動篇』にて実施しておりましたご来場者アンケートにて、多くの上映リクエストをいただいた『ザブングルグラフィティ』。 このたび、4月25日(金)~5月8日(木)の期間、小田原シネマ館にて上映することが決定いたしました! 皆様のご来館をお待ちしております!! <作品紹介> 『ザブングルグラフィティ』 Ⓒ創通・サンライズ 君は走るか、俺たちゃ走る! TVシリーズ『戦闘メカ ザブングル』の総集編映画化。 ストーリー 荒野の惑星ゾラに生きる人々は、「三日間の掟」を唯一絶対のルールとして暮らしていた。殺しも盗みも3日逃げきればお咎めなし。しかし、少年ジロン・アモスは、3日を過ぎても両親の復讐を諦めない。交易商人の娘エルチや、少年野盗団の少女ラグら、彼に出会った人々は次々にその「こだわる心」に巻きこまれ、やがてそれはゾラ全体を揺るがす流れへと拡大していった。 1983年/84分 原作:富野喜幸(現・富野由悠季)、鈴木良武 監督:富野喜幸(現・富野由悠季) 脚本:五武冬史、吉川惣司、荒木芳久、伊東恒久 キャラクターデザイン:湖川友謙 メカニカルデザイン:大河原邦男 メカニカル設定:出渕 裕 構成演出:菊池一仁 音楽:馬飼野康二 ※ 各上映回は40席限定となります。 ※ チケットのお求めはオンライン(クレジットカードのみ)もしくは劇場窓口(現金のみ)にてお申し込みください。 ※予約開始は上映日の二週間前から随時更新を予定しています。 主催:小田原シネマ館 運営協力:FM小田原株式会社 / タウンニュース / 一般社団法人カフネ
『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』舞台挨拶レポート
2025年3月6日 舞台挨拶 『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』 3月6日、佐藤そのみ監督の舞台挨拶が小田原シネマ館で行われました。 当日は多くのお客様にお集まりいただき、客席はほぼ満席でした。 『春をかさねて』は東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県石巻市大川地区を舞台に、震災で妹を失った2人の女子中学生の繊細な心の揺れをみずみずしく描いた作品です。2019年に製作されました。監督は日本芸術大学映画学科を出ており、小学校6年生の頃から絵や小説を書くのが好きでいつか自分の生まれ育った大川地区で映画をとりたいと思っていたそうです。 そして、2011年東日本大震災。 監督も、小学校2年生だった妹さんを失ってしまったそうです。 震災から8年後、いつか大好きな大川地区で映画がとりたいという思いが蘇り、それならば震災をもとに映画を作ろうと決心したそうです。 『春をかさねて』は震災で妹を亡くした14歳の祐未役を演じた斎藤小枝さんは石巻市出身であり、マスコミ役の方は当時震災でニュースを報道した本当のマスコミの方たちだそうです。そして祐未のお父さん役の方は実際に娘さんを亡くされていて、彼の劇中のセリフはご自身の言葉であったそうです。 祐未の幼なじみで同じく妹を亡くしたれい役の50%は監督ご自身が投影されているとのことでした。 そしてこの物語では友情が描かれています。監督は、震災後に人と人との間に距離ができてしまったと感じておりました。そんな人間関係を、映画の中では友人同士の仲直りという形で描かれており、ここにも監督の思いが詰まっています。 『あなたの瞳に話せたら』こちらは監督の卒業制作で作られた作品でした。 『春をかさねて』で描ききれなかった部分がドキュメンタリーとして作られています。 この作品は手紙を主軸に描かれています。 当時マスコミの方に何度もカメラをむけられたこと、手紙の方が亡くなった方の生前がより思い浮かぶのではないかと手紙をテーマにしたそうです。 また撮影は台風の被害にあわれた地域にも足を運んだそうです。 監督は地元の人を傷つけないか、という思いからこの作品を2年間封印していたそうです。しかしだんだんと周りから上映希望があり考えが変わり上映に至ったということです。 【お客様からの質問】 Q:遺族の方で手紙をかけないという方はいませんでしたか A:未だにおもてに出られない、手紙は書けないという方がいました。 Q:観光で行こうと思うが受け入れてくれるでしょうか A:人それぞれでまだ受け入れられない人もいます。 私(監督)はどんどん来てほしい。元々は被災地ではないしたくさんの人にこの町の魅力を知ってほしいです。 Q:今後の活動は A:30分短編の『スリーピング・スワン』という作品が公開予定です。 こちらは35歳以下対象の監督がオーディションを受けて選ばれたのち、プロのスタッフさんに撮影していただきました。 短い時間でしたがとても貴重なお話を聞くことができました。当時、人との間に距離ができてしまったというお話がありましたが、人は辛いことにあうと心の安定がとれなくなってしまいます。そしていつの間にか人との間にも距離が…。もちろんみながみなではないかもしれませんが 今もどこかで自然災害はおきています。いつ自分自身にふりかかるかもわかりません。 また災害にあわれた方々の気持ちはわかろうと思ってもわかるものではありません。 しかし記憶に残すことはできます。 こうして映画として そして画面を通して人の痛みや傷を少しでも感じとれないでしょうか 佐藤そのみ監督、大川地区の皆様ありがとうございました。 3月11日祈りを込めて 登壇中の佐藤監督
【スタッフの映画話】『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』
当館スタッフが思うことを綴るシネマレター、今回は佐藤そのみ監督作『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』についての一篇です。本作は、佐藤監督が大学時代に制作されたもので、 2011 年 3 月 11 日に起きた東日本大震災における被災地の人々をフィクションとドキュメンタリーの手法で描いています。 〈留めること、前に進むこと〉 『春をかさねて』で印象的なのは、中学生の祐未とれいがぶつかり合う場面。亡くした妹への想いを気丈な言葉で取材者に語る祐未と、ボランティアの大学生に恋をするれい。一見すると、二人は対比を生み出す関係にあると捉えることができます。しかし、彼女たちは、震災を生き残った者が楽しく日常を過ごすことへの葛藤を共に抱えているのです。 震災の先を生きるということは、亡くなった人がどうしたって新しく経験できないことを、自分たちは経験できてしまうということ。自分の一歩一歩が、亡くなった人の持っていただろう未来への可能性というものの死を縁取っていってしまう。 さらには傷を重ねるように、全員に等しく責任のようなものを強いてしまう。その原因の一つは、周囲からの視線を当事者同士の間で内面化してしまうところにあるのかもしれません。 れいには“被災者のお手本”のように映った祐未。ところがその後、「今の自分に、妹はどんな言葉をかけてくれると思うか」と記者から問われた際には言葉を詰まらせます。メディアや被災地には、伝え続ける務めがあるでしょう。けれども時に、どうしてそんなことを答えさせようとするのだろう、というような質問が投げかけられる。その時、祐未のような人物ならば、淀みなく返してしまうことももしかするとできたかもしれない。記者が期待するような、“前向きな”回答を。 しかしながら、それをしなかったのは祐未の大きな意思だと思います。記者のあの質問に答えることは、必要以上に自分の人生を亡き妹に縛りつけること、それを受け入れることと同義だったのではないかと思うのです。 当時に心を留め続けることは、震災やそこにいた人々を風化させないということです。けれども、そうして伝え続けることには、時折負担がかかる。時間が経つほどに亡くなった人との歳の差は離れていきますが、それは、季節を重ねるごとに彼らを思い出す回数が積み重なっていくことでもある。留めることと前に進むことは、同じ方向にあるものなのではないかと思います。 『あなたの瞳に話せたら』では、書簡形式に話す「私」が、台風被災地のボランティアに参加した時のことを回想します。そして、想像よりも遥かに深刻な状況やその想像の至らなさを痛感し、 ——「どんな顔をしても、間違っている気がした」 と言います。ここにあるのは、被災者でもある「私」の、記者としての一面。内部と外部の両面やその境界に立って、さまざまな側面から心情が描写されています。「どんな顔をしても間違っている」というのは、どこまでもその通りなのだと思います。この場面では他者に対してそう感じるわけですが、親しい人や自分自身に対してでさえも同じことでしょう。 正解がない中でも時間は進んでいきます。ただ、正解がないなら、間違いもないかもしれない。何かを言葉や映像に残し、紡ぎ続けることへの希望の眼差しが、「あなたの瞳に話せたら」という題名に繋がっていくのだろうと思います。 『春をかさねて』『あなたの瞳に話せたら』3/13(木)まで上映中! ぜひ劇場にて、お待ちしております。パンフレットも販売中です。
【スタッフの映画話】『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』
当館スタッフが思うことを綴るシネマレター、今回はチャンドラー・レヴァック監督作『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』についての一篇です。レヴァック監督は本作で長編デビュー。自伝的な内容を、自身の性別とは異なる青年男子に仮託して描いています。 〈痛くて愛しい映画オタク!〉 ——「あなたは自分みたいなオタクが、世界の中心だと信じてる」 主人公ローレンスがアルバイト先であるレンタルビデオ店の施錠を忘れて、店長アラナとの信頼に傷が入る場面。引用したのは、そこでアラナがローレンスに放った言葉です。 映画が好きで好きで、映画を見ていない日は人生の一部が欠けたように感じるとまで語る主人公。しかし、映画の話となれば自分の好きな作品について捲し立て、不注意な言動で他者を見下し傷つけてしまう。なぜなら、映画を一番理解しているのは自分だと思っているから! 映画に限らずとも、何かに熱中したことのある人なら思い当たる節があるのではないでしょうか。あなたも私も皆々みんな、ローレンスだったかもしれません……。何かを理解しきることなど、誰にとっても不可能であるにかかわらず。 映画を観るとき、基本的に作品と自分は一対一の関係です。観ていると、自分も何か大きな力を持ったような幻想に包まれることがあります。また、気に入った作品を見つけたとき、世界で自分だけがそれを知っているような特別な気持ちになることも。 〈レンタルビデオというメディア〉 本作では2000年代のレンタルビデオ最盛期が描かれますが、インターネット上での配信が浸透してきた現代では、映画を一人きりで観る方法がとても身近になってしまいました。暗い部屋に一人閉じこもり、誰も介さず1日に数本の作品を観ることができてしまう。 映画と観客の関係は一対一と述べましたが、映画館で観るのと自室で画面をクリックして観るのとでは大きく違うのです。 レンタルビデオという形式もまた映画館と似ていて、映画館やビデオ屋へ行くこと自体が、ある種コミュニティへの帰属のようなものを感じさせてくれます。本作においては、ビデオ屋の客と店員の会話が場面を彩りました。アルゴリズムにおすすめされるのと、ビデオ屋でたまたま目についたものを手に取るというのも全く別物。作品を自分の手で棚から選ぶところも含めて、一つの体験です。 配信が普及する時代に依然として映画館という鑑賞方法が残っているのには、やはり意味があるのだと思います。メディアや個人の興味の多様化によって、本当の意味で他者と体験を共有することが希薄になってきた現代でこそ、映画館は新しい価値を生み出すことができるかもしれません。もう二度と会わないかもしれない人と、同じ時間に同じ空間で一つのものを観ている、というのは改めて考えると不思議です。 〈映画を通じて・・〉 ローレンスのように、孤独や不安や無力から自分を守る唯一の術が映画だという人も少なくないでしょう。映画鑑賞はその密な求心力ゆえに、個人が殻に籠ることをどこまででも可能にしてしまいます。 けれども、映画は制作から観客の元に届くまで、たくさんの人によって成り立っている。そしてまた、新たに人と人とを繋げていくことができる。というのが、本作の大きなテーマなのではないでしょうか。そしてここには、ローレンスが同じクラスの女生徒を排除しようとしたような、映画界にあるホモソーシャル的構造への確かな批判も絡められています。 本作の最終場面において、ローレンスは寮の自室の壁に『マグノリアの花たち』のポスターを貼っていますね。あれだけ自分の好きな映画を語っていた青年が、他者に勧められた映画のポスターを飾っている。そして、それをきっかけに同級生との会話が生まれる。 本作のポスターはピザを食べながらぼんやりと何かを見つめるローレンスの姿を切り取っていますが、本編を観ればその視線の先にあるのはアラナだとわかります。そこには、映画を通じて自分が作者や登場人物と対話するように、映画が他者や社会との対話を切り開いてくれることへの希望が込められていると思うのです。 『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』2/27(木)まで上映中! 当館では上映終了間近ですが、ぜひ劇場にてローレンスの成長を見届けてください。
【舞台挨拶レポ】『ドーバーばばぁ2 〜つなぐ〜』
中島久枝監督作『ドーバーばばぁ2 〜つなぐ〜』舞台挨拶の模様をお届け! 1/25(土)14:40~の回上映後、当館にて『ドーバーばばぁ2 〜つなぐ〜』舞台挨拶が行われました。 当日の登壇者は中島久枝監督、そして、ドーバー海峡に挑んだチーム織姫の大河内二三子さん、原田京子さん、田村里江さん、野田照美さん、中田律子さん。野田さんと中田さんは客席から参加されました。 当日のお客さんは30名。鑑賞を終えた会場内も一つの遠泳チームに加わったような気持ちで、明るいお人柄の皆さんの登場とともに賑やかな舞台挨拶になりました。 〈制作に込められた想い・・〉 今作は、前作『ドーバーばばぁ 織姫たちの挑戦』から13年の月日が流れています。本当は10年目で何かやろうと思っていたそうですが、新型コロナウイルスの影響により3年間延期。織姫たち個人も、それぞれ家庭や病などの問題に苛まれました。 そして今回、新しく若いメンバーも加わり、81〜20歳、「ばばぁ率50%」の『ドーバーばばぁ2』が生まれました。 映画は2時間半超えの大作。中島監督ご自身も、「長すぎたのではないか」と心残りに思われていたそう。 しかし、「これ以上縮められないというところまで、フィルムに収めてもらって本当に感動している」と原田さんは言います。 映画制作の話はまず、チームのリーダーである大河内さんの元に届きました。 大河内さんは、はじめに中島監督から「自分のやっていることを全て、記録にした方がいい」と言われた際、「(他の人は)興味ないんじゃないの?」と思っていたそう。 生活そのままを映画にして、はたして面白いのかと。 けれども、やがて、中島監督が来るときだけは家の掃除もせず、ありのままの姿を撮影してもらおうと覚悟を決めました。大河内さんは、映画の中で「自分自身の10何年間のすべてを晒している」と言います。 一切飾り立てることなく、実直に海に挑んだものたちの姿が切り取られています。 田村さんは、海の過酷さを語ります。 「フィルムの中だけを観ていると、あのくらいなら私も泳げるわ、と思うかもしれない。でも、実際には大潮で流れがとても速く流されそうになる」 そうした大変さの中で、「『〜つなぐ〜』とタイトルにもあるように、繋いだこと自体がすごいことで、完泳できてよかった」と。 〈織姫たちの普段や今後、舞台裏話・・〉 ここで、お客さんからの質問の一部を紹介します。 「練習はどこでやっているの?」 ——「スイミングスクールでレッスン。自主練はせず、多いときで1500m泳ぐ」 「ドーバーばばぁたちの次はあるの?」 ——「今後は、なるべく温かい海で、無理のない遠泳を続けるつもり」 また、お客さんから「家庭や環境の変化を乗り越えて泳ぎきった姿に感動した」との感想もいただきました。(ちなみに、上映後に回収したアンケートでは、「上映時間の長さは気にならなかった」という方がほとんどでした。) ドーバー海峡横断は、フランス、イギリス、と国境を越えて行われました。しかし、入国審査はしていなかったのだとか。そのため、密入国者と捉えられる事態にも(!) 入国審査をしていないわけですから、全員が岸に上がることはできません。泳いで岸に辿り着いた代表者は、1人5分ほどの限られた滞在時間で、みんなのために海岸の石を水着のお尻に入れて持ち帰ります。そうしてまた、次の人にバトンを繋いでいくのです。 帰りの入管でも30分近く足止めされてしまったのだそう。泳ぎ以外の部分も過酷です。 中島監督と原田さん 田村さんと大河内さん ご登壇・ご参加くださった皆さま、誠にありがとうございました。 ドーバーばばぁ、まだまだ上映中! 上映は2/6(木)まで。観ると元気をもらえますよ。寒さが続きますが、ご来館お待ちしています!
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』“movie edition”順次上映決定!!第一章シャア・セイラ編2/14~第二章開戦編2/28~第三章ルウム編3/14~
小田原シネマ館では2025年2月14日(金)より『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』“movie edition”を順次上映することが決定いたしました!! 皆様のご来場をお待ちしております!! ※ 各上映回は40席限定となります。 ※ チケットのお求めはオンライン(クレジットカードのみ)もしくは劇場窓口(現金のみ)にてお申し込みください。 ※詳しいスケジュールにつきましてはHP、公式SNSより順次公開予定です。 上映期間 第一章 シャア・セイラ編 2025年2月14日(金)~2025年2月27日(木) 第二章 開戦編 2025年2月28日(金)~2025年3月13日(木) 第三章 ルウム編 2025年3月14日(金)~2025年3月27日(木) ストーリー 宇宙世紀0068年、サイド3、ムンゾ自治共和国。宇宙に進出した人の革新を説き、地球連邦政府からの完全独立を宣言しようとしたジオン・ズム・ダイクンは、議会檀上で演説中に突如倒れ、帰らぬ人となった。 ダイクンの死後、ザビ家陰謀説を唱えるダイクンの側近ジンバ・ラル。しかし、サイド3、ムンゾの実権を掌握せんとするデギン・ソド・ザビ率いるザビ家の暗躍は加速していく。 これまで語られる事の無かった動乱の歴史が明らかになる中、ダイクンの遺児であるキャスバルとアルテイシアには、激動の時代を象徴した数奇な運命が待ち受けていた…。 ※movie editionはOVA 全6話を劇場上映用に再編集したものです。 ※新規カット・映像はございません。 キャスト キャスバル・レム・ダイクン:田中真弓 アルテイシア・ソム・ダイクン:潘 めぐみ デギン・ソド・ザビ:浦山 迅 ギレン・ザビ:銀河万丈 サスロ・ザビ:藤 真秀 ドズル・ザビ:三宅健太 キシリア・ザビ:渡辺明乃 ジオン・ズム・ダイクン:津田英三 アストライア・トア・ダイクン:恒松あゆみ ランバ・ラル:喜山茂雄 クラウレ・ハモン:沢城みゆき ジンバ・ラル:茶風林 シャア・アズナブル:池田秀一 ナレーション:大塚明夫 スタッフ 原作:矢立 肇・富野由悠季(『機動戦士ガンダム』より)…
【舞台挨拶レポ】『幽霊はわがままな夢を見る』
グ スーヨン監督作『幽霊はわがままな夢を見る』舞台挨拶の模様をお届け! 先日 1/11(土)10:30~の回上映後、当館にて『幽霊はわがままな夢を見る』舞台挨拶が開催されました。当日は、グ スーヨン監督・栃木光信プロデューサーにお越しいただきました! また、舞台挨拶後にはサイン会も。 当日ご参加のお客さんは 13 名。一人一人と目を合わせられる程のとても近い距離感で、グ監督と栃木プロデューサーにお話いただきました。 当館ロビーにて。舞台挨拶後、ポスターにお二人のサインを頂戴しました! 〈お二人のお仕事について・・〉 舞台挨拶はまず、お二人の自己紹介から。 グ監督は、これまでに映画や数々のテレビ CM などを手がけていらっしゃいます。ケビン・コスナーさん出演のサントリービールや、内田有紀さんのカルピスウォーターの CM、また、TBC の「私、脱いでもすごいんです」というセリフは当時大きな話題に。栃木プロデューサーは、「奇跡体験!アンビリバボー」「ザ!世界仰天ニュース」などの有名番組制作に当初から携わっていらっしゃる方。 そんなお二人が作りあげたのが、『幽霊はわがままな夢を見る』です。 〈舞台裏話・・〉 映画の舞台は、山口県下関。グ監督ご自身も下関がご出身で、同じく下関ご出身の深町友里恵さんを主演に迎え、下関で撮影されました。当日ご来館いただいたお客さんの中にも、下関を訪れたことのある方が何人か見えました。 作中で扱われるのは、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)による「耳なし芳一」の怪談。「耳なし芳一」は皆さんも聞いたことがあるかもしれませんが、その舞台が下関だったとは! 芳一が居たとされているのが、山口県にある阿弥陀寺。現在は、その後身である赤間神宮に「芳一堂」が構えられ、映画にはこの赤間神宮が登場します。 加えて、下関は平家一門が滅亡した壇ノ浦の所在地でもあり、赤間神宮には平家の墓が並んでいます。グ監督は霊感をお持ちでないとのことでしたが、それでも恐怖を覚えるほどの佇まいだったとか……。さらに、元々「耳なし芳一」の朗読をなさっていて、本作で芳一役を務めた佐野史郎さん。佐野さんは赤間神宮を訪れた際、神主にお名前を間違えられたことがきっかけで体調を崩したことがあるのだそう……。赤間神宮、恐るべし。 撮影中の様子も聞かせていただきました。 怖〜いスポンサー役・南海キャンディーズのしずちゃんこと、山崎静代さん。グ監督によると、「しずちゃんは、しずちゃんだった。」とのことで、普段見るそのままの魅力で出演なさったそう。会場からは笑いの声が聞こえました。ちなみに、しずちゃんのみ、東京での撮影だったようです。 〈お客さんからの質問・・〉 お客さんの中には、グ監督の映画を全て観ているという方もいらっしゃいました! グ監督の初期は、『幽霊はわがままな夢を見る』に比べると文字どおり血の気が多く、作風の変化について質問が。これについてグ監督からは、「歳をとった」「血の表現はお金がかかる……」などの率直な回答をいただきました。(ちなみに、グ監督は最近料理に凝ってらっしゃるのだとか。) 同じ監督作を順に観て、変化や不変の要素を感じとるのは楽しいですよね。監督に直接質問をできる機会は貴重です。 〈お二人からのお言葉・・〉 というわけで、『幽霊はわがままな夢を見る』は下関ムービーな訳でありますが、ご出身が東京の栃木プロデューサーは、皆が故郷に対して文句を言いつつも愛しているような光景を羨ましく感じるのだそう。また、映画館が閉館を続ける中での当館の開館については、意義あることであり、「皆さんが映画文化を担っているのだと思ってこれからも通い続けてほしい」とのありがたいお言葉をいただきました。 グ監督は、ジャームッシュやカウリスマキ監督らがお好きなために「伏線回収をしない」やり方で制作に挑んでいて、さらには、「売れそうなものを作ったとしても売れるかわからない。なら、最初から好きなものを作っちゃおう!」とおっしゃる姿勢がとても素敵でした。 登壇中のお二人。 お二人とも、ご登壇いただき誠にありがとうございました。ご参加された皆さまも、ありがとうございました。 \\『幽霊はわがままな夢を見る』1/23(木)まで上映中! // 当館ではまだまだ上映中です。この機会にぜひ劇場で。お待ちしております!
【舞台挨拶決定!】『幽霊はわがままな夢を見る』1月11日(土)10:30の回限定 グ スーヨン監督 栃木光信プロデューサー舞台挨拶付特別上映開催!
『幽霊はわがままな夢を見る』 死ぬんはいつでもできるけぇ、 生きちょっても ええよね 富澤ユリ(深町友里恵)は、女優を夢見て上京するが夢破れ故郷・下関に戻って来た。友達もなく…仕事もなく…やむなく父・富澤昌治が経営するラジオ局を手伝うことになる。 ところがラジオ局「カモンFM」は倒産寸前で、怖~いスポンサー(山崎静代)が閉鎖を迫っていた。さらに、ユリには謎の不気味な青年(西尾聖玄)と存在感の薄いお菊(大後寿々花)がつきまとい…。 そんな折り、怖~いプロデューサーからラストチャンスとして「ラジオドラマ」をやるよう命令が下る。失敗は許されない。 地元オーディションにより、老若男女、多数の個性が強い出演者が集まりはするが… 下関の赤間神宮を舞台にした小泉八雲原作の怪談「耳なし芳一」をモチーフにしたラジオドラマは「カモンFM」起死回生の一手となるのか? ラジオドラマ「怪談 耳なし芳一」の幕が上がる。 <舞台挨拶決定!> 映画『幽霊はわがままな夢を見る』 1月6日(月)~1月23日(木)にて上映決定!!  ※火曜日は休館日のため上映はございません。 そして!! 1月11日(土) 10:30の回にて舞台挨拶付き上映を開催いたします!! <舞台挨拶概要> 登壇予定者 グ スーヨン監督 栃木光信プロデューサー ※登壇者は予告なしに変更になる場合がございます。ご了承ください。 各会場:小田原シネマ館劇場内 各料金:一般料金より ※舞台挨拶回は1月11日(土)10:30の回、本編観覧者限定となります。 ※舞台挨拶の進行状況により、上映スケジュールが変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください チケットは劇場窓口(現金のみ)、オンライン(クレジットカードのみ)で販売中です。 皆様のご来場をお待ちしております!! ※チケットの完売次第、販売を終了いたします。 ※劇場内でのカメラ、カメラ付き携帯電話、ビデオ等による、撮影・録音・録画は固くお断りします。 <予告編> <作品概要> 本企画は、俳優・加藤雅也氏が下関出身のグ スーヨン監督、同じく下関出身の女優・深町友里恵に「下関発のオリジナルムービーを撮ろう」と声掛けした事がきっかけで実現した、グ スーヨン、具 光然による兄弟共同のオリジナル脚本作品。 女優になる夢破れ、自らの才能にも絶望し故郷・下関に帰って来た主人公・ユリが、下関の風に吹かれながら自分を見つめ直し行くロードムービー。というと故郷のすばらしさに気づく少女の成長物語を想像するだろうか。しかし本作品は下関という街に残る戦中と煉瓦と戦後のコンクリートが混在する傾斜街や小路に流れる「厭世感」や「どうしょうもない下関人」の姿が容赦なく切り取られる。グ スーヨン監督の“嫌いな街・下関”への愛情が溢れ出す。 <クレジット> グ スーヨン監督作品 出演:深町友里恵、加藤雅也、大後寿々花、西尾聖玄、山崎静代(南海キャンディーズ)、佐野史郎ほか…
【舞台挨拶決定!】『とりつくしま』12月22日(日)10:00の回限定 本作出演 橋本紡さん 千賀由紀子さん 東かほり監督 舞台挨拶付特別上映開催!
『とりつくしま』 もう一度、 この世を見つめることが できるとしたら 人生が終わってしまった人々の前に現れる“とりつくしま係”は、「この世に未練はありませんか。あるなら、なにかモノになって戻ることができますよ」と告げる。 夫のお気に入りのマグカップになることにした妻、だいすきな青いジャングルジムになった男の子、孫にあげたカメラになった祖母、ピッチャーの息子を見守るため、野球の試合で使うロージンになった母。 人生のほんとうの最後に、モノとなって大切な人の側で過ごす時間。 <舞台挨拶決定!> 映画『とりつくしま』 12月13日(金)~12月30日(月)にて上映決定!!  ※火曜日は休館日のため上映はございません。 ※12月24日(火)は営業予定です。 そして!! 12月22日(日) 10:00の回にて舞台挨拶付き上映を開催いたします!! <舞台挨拶概要> 登壇予定者 橋本紡さん / 本作出演:佐伯こはる役 千賀由紀子さん / 本作出演:由美子役 東かほり監督 / 本作監督 ※登壇者は予告なしに変更になる場合がございます。ご了承ください。 各会場:小田原シネマ館劇場内 各料金:一般料金より ※舞台挨拶回は12月22日(日)10:00の回、本編観覧者限定となります。 ※舞台挨拶の進行状況により、上映スケジュールが変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください チケットは劇場窓口(現金のみ)、オンライン(クレジットカードのみ)で販売中です。 皆様のご来場をお待ちしております!! ※チケットの完売次第、販売を終了いたします。 ※劇場内でのカメラ、カメラ付き携帯電話、ビデオ等による、撮影・録音・録画は固くお断りします。 <予告編> 死んでしまったあと、モノになって大切な人の近くにいられるとしたら とりつきたいモノはなんですか? <作品概要> 『カメラを止めるな!』を生み出したENBUゼミナール「シネマプロジェクト」第11弾作品『とりつくしま』。 長編デビュー作『ほとぼりメルトサウンズ』が、大阪アジアン映画祭、ニッポン・コネクション(ドイツ)などに選出された東かほり監督が、母である東直子さんの小説『とりつくしま』(筑摩書房)を原作に、脚本・監督を手がけた特別な映画です。 WSオーディションには399名がエントリーし、23名の俳優が出演。そして小説のファンである小泉今日子が、重要な役どころとなる“とりつくしま係”として物語に寄り添います。 <クレジット> 出演:橋本紡、櫛島想史、小川未祐、楠田悠人、磯西真喜、柴田義之、安宅陽子、志村魁、小泉今日子ほか 監督・脚本:東かほり 原作:東直子『とりつくしま』(筑摩書房) 2024年/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/89分/ⒸENBUゼミナール ____________________ 上映:小田原シネマ館…
フィッシャー・キングシネマレターアイキャッチ
〈小田原シネマ館スタッフ映画話〉『フィッシャー・キング』について
テリー・ギリアム監督作『フィッシャー・キング』、12/5(木)まで上映中です  当館スタッフが上映作品についての豆知識や思うことを綴るシネマレター、今回は『フィッシャー・キング』のお話です。    テリー・ギリアム監督といえば、モンティ・パイソン時代のアニメーションやテリー・ジョーンズとの共同制作映画に始まり、『ジャバー・ウォッキー』(1977)、青年期三部作とも呼ばれる『バンデットQ』(1981)『バロン』(1988)『未来世紀ブラジル』(1985)や、『ブラザーズ・グリム』(2005)、『12モンキーズ』(1995)、最近では『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』(2018)など、数多くの映画を作ってきました。  そんなギリアム監督が、初めて他者の脚本で描いてみせた映画が、『フィッシャー・キング』(1991)です。ギリアム監督は、その比類なき芸術センスと構成力のかたわらで、細部までの凝りのために制作費の大幅超過や制作期間の延長、尺の長さなど、問題児的な一面があります。未完になっている作品もあり、いつも映画作りが難航している印象です。(『バトル・オブ・ブラジル』の書籍なんかは有名ですね。)  そうした中で『フィッシャー・キング』は、汚名返上ではないのですが、他者の脚本で素晴らしくまとめあげ、予算も期限も守って、こんなこともできますよ、と、ある意味で監督の手腕をアピールしたわけです。  他者の脚本といっても、もちろんギリアムらしさ満載です。中世の騎士や、現代ニューヨークとは思えない古城のような建物、薄暗さと煙、配管、ごちゃごちゃとしたパリー(ロビン・ウィリアムズ)の棲み処!とってもギリアムギリアムしております。 〈役柄について・・〉  主演のロビン・ウィリアムズとジェフ・ブリッジスは、ほかのギリアム映画にも出演しています。ブリッジスは監督自ら出演を懇願したのだとか。ブリッジスは『ローズ・イン・タイドランド』(2005)でジャンキーお父さん役、ウィリアムズは『バロン』で月の王役(!)を演じておりました。宇宙にいたんですね。  聖杯伝説は、ギリアム監督が過去に『モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル』(1975)で扱ってもいました。ギリアム映画では、モンティ・パイソンメンバーが出てくることもしばしばですが、『フィッシャー・キング』には出ていません、残念! ウィリアムズが7人目のパイソンメンバーみたいなもんです。(ちなみに、テリー・ジョーンズ監督作『ミラクル・ニール!』(2015)では、パイソンメンバーと一緒に声の出演もしており、これが日本公開作では遺作となっています。ウィリアムズは犬の吹き替え。多彩です。)  ロビン・ウィリアムズは、もともと即興で舞台に立ったりしていたコメディアンです。彼の生き生きとした動きと笑顔はとてもいいですね。初めて見たとき、こんなに素敵な笑顔を見せる人はほかにいないと思いました。当館で以前上映していた『レナードの朝』(1990)でも、コミカルな動きが素晴らしかったです。  映画の中では人格者の役が多い印象で、人情に篤い学校の先生や医者、夫を演じていることが多いですが、『フィッシャー・キング』では、精神病患者。持ち前の人柄の良さはもちろんのこと、ちょっと危ない、アナーキーでありつつ、時折暗さをみせる、色々な表情で、ウィリアムズのすべてが詰まっています。今作のウィリアムズはまさに、はまり役です。  また、リディア役のアマンダ・プラマーは大好きです。彼女は『パルプ・フィクション』(1994)のハニーバニー役が有名かなと思います。(ほかに、ヴィム・ヴェンダース監督の『ミリオンダラー・ホテル』(2001)等々にも出演しています。)可愛らしさと、ちょっと粗暴で大胆なかっこよさ。『フィッシャー・キング』では、非常に不器用な女性を演じます。回転扉からなかなか出られず、二日に一度は本を買って、本やビデオを棚からガラガラ落としてしまう。固いナッツキャンディを買って、水曜日には餃子を食べる。餃子もうまく掴めずに、落としてしまう。リディアの日々の習慣は、いつ見ても愛らしく感じます。書いたらキリがないのですが、4人で行く中華屋のシーンも何度も観てしまいます。あんなに楽しい食事シーンは他にありません。ウィリアムズなんか、しまいには歌い出してしまう。ちょっと変な人たちが、コミカルに生き生きと、愛でもって描かれています。  それから、リディアと、ウィリアムズ演じるパリーが駅のホームですれ違うシーン。グランド・セントラル・ステーションで、1000人のエキストラを動員し、通勤列車が到着する朝6時10分、二日間にわたって撮影されたものだというから驚きです。ギリアム監督のアドリブなんだとか(日本公開時のパンフレット参照)。世界がリディアとパリーのためだけの舞台になったみたいで、夢のようです。    加えてなんと、グランド・セントラル・ステーションのシーンでは、トム・ウェイツの姿も! また、ミュージカルなどで活躍の、マイケル・ジェッターも良い役です。脇役も見逃せませんね。 〈ギリアム作品の魅力・・〉  テリー・ギリアム監督の魅力はたくさんあり、目に入るドキドキするようなイメージの鮮烈さや音楽はもちろんですが、「死」を確実に描いているところがその一つではないかと思います。ギリアム映画は、ファンタジーの要素がありつつ、しかし決してファンタジーではありません。現実が、映画の底を這って動きません。『フィッシャー・キング』は、彼の映画の中では比較的ハッピーエンドを辿っているわけですが、やはりそうとは言い切れない部分があります。さまざまな社会問題の風刺や、暴力や血の描き方だったり。そもそも、ジャック(ジェフ・ブリッジス)の言葉がなければ、パリーの妻は亡くならなかったかもしれず、二人の友情が芽生えるなんてことはなかったわけです。(ジャックの直接的な責任ではありませんが。)パリーばかりが、大切なものを失って傷ついているように思えてしまう。リディアやジャックらといくら幸せになろうが、傷は残り続けるでしょう。ジャックの「償い」のような行為も、本当はすごく利己的なものでしょう。物語はたくさんの偶然でできていて、二人が出会わなければ、起こらなかったことの数々があり、同時にまた、起こったことの数々があります。簡単に「いい話だった」で終わってしまえないところに、心を掴まされるのでしょうか。  つい最近の11月22日は、テリー・ギリアム監督84歳の誕生日! ギリアム監督は、ジョニー・デップ主演で新作を制作中とのことで、非常に楽しみです(『ドン・キホーテ』の時のように撮影現場に来ない、なんてことがなかったらいいのですが……)。  当館内ロビーには、スタッフによるイラスト展示と、公開時のパンフレットを掲示している小さいコーナーもあります。ぜひ、合わせてご覧ください。  ギリアム監督の映画体験をこの機会にぜひ! 【作品情報】 1991年/137分/アメリカ メインビジュアル(右): © 1991 TRISTAR PICTURES, INC ALL RIGHTS RESERVED. ※ チケットのお求めはオンラインもしくは劇場窓口にてお申し込みください。 ※オンラインはクレジットカードのみ、劇場窓口は現金のみとなってございます。 ※ムビチケはご利用いただけません。 上映:小田原シネマ館